名古屋高等裁判所 昭和25年(う)2253号 判決
即ち原判決が挙示する証拠の内容を仔細に検討し、彼是参酌すれば、被告人等はいづれもその肩書居宅に於て特種カフエーを経営し、原判決認定の如くそれぞれ数名の接客婦を置き、表面は是等接客婦に衣類を貸付け、又は接客婦からその所有の衣類を買受けたものの如く仮装し、実は予めその衣類の価格を定め、その評価額に相当する債務を負担せしめ、各接客婦をして爾後被告人方等に於て売淫を為して得た収入金を以て順次右債務の償還を為す事を内容とする明示若くは少くとも暗黙の意思表示の合致により敍上の如き債権債務の関係を生ずる契約を締結し、之を実行していた事実が明であつて、斯かる事項を内容とする契約は昭和二十二年勅令第九号第二条に所謂婦女に売淫をさせる事を内容とする契約に外ならない、従つて原判決には所論の如き事実誤認の違法はなく、その他記録を精査しても原判決の量刑が著しく不当であると認むべき資料はないから論旨は理由がない。